全もくじ
アイスクリーム屋さんの店長は32歳処女
5話「真理、打ち合わせ中に悪戯される」
郁夫がエリアマネージャーに着任してから、初めてのエリア会議が近づき、真理は会議に使う販売計画など暇を見て作成していた。
そんな中、エリア会議前に行われる打ち合わせする日がやってきた。
その日、郁夫は夜の暇な時間に合わせて来るから、真理は忙しい中でも完璧に作り終え、郁夫を待っている状態だった。
「お疲れ様で~す」
カウンターでパートさんと共に三人で接客していたところに、郁夫の声が耳に入ってきた。
皆が振り向くと、郁夫がやって来ていた。
「「「おはようございま~す」」」
皆、明るい声で挨拶をする。
郁夫が来る前、パートさんには恒例の打ち合わせがあるから、と言っていたので、あとはパートさんに任せ、カウンターから仕込み部屋を隔てた奥の狭い事務所で打ち合わせにする。
郁夫と二人きりになるのは数週間ぶり。朝の仕込み以来だから、胸がウキウキ躍るも何だかドキドキ緊張する。
カウンターからはパートさん二人の
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございました」
などの大きな明るい声が狭い事務所まで響き聞こえる。
「じゃあ、始めようか」
緊張した中、疲れた様子も見せない郁夫のかけ声で打ち合わせが始まる。
真理はエプロンを外してから、パソコンで作成していた書類関係をモニターに出す。追加事項や訂正があれば、その都度、修正して行くので、モニターを眺めながら打ち合わせを進める。
モニターを見ながら打ち合わせを進めるのは良いのだけど、郁夫の距離がやけに近い。
前エリアマネージャーは体一個分以上、充分に距離を取っていたけど、郁夫は一緒にアイスクリームを仕込んだあの日のように、肩を並べて座り、カウンターにパートさんがいるのに、まるで恋人のような距離感でいる。
いくら男性経験が無いからと言っても、打ち合わせする距離ではないことくらいはわかる。
今は仕事中だけど、久しぶりの二人きり。 恥ずかしくて少し緊張する。
こういう距離感を気にしないのが郁夫のスタイルだと思い、息を深く吸って深呼吸してから、まず一か月販売計画の説明に入り、次いで三か月、六か月の販売計画の説明を始めた。
郁夫は相槌を打ちながらも、真理の説明を良く聴き、時折、真理の太ももへ膝を付けながら、耳元で相槌を打つように”うんうん”と頷く。
郁夫の体温が伝わってくるほど近いのにも関わらず、耳元でうんうん頷くから、くすぐったいような気がして、説明しているのに口ごもってしまう。
「そ、そ、そ、それで、で、ですね…
こ、こ、この月は… 」
「相変わらず、真理ちゃんは緊張症だね…
そんなに緊張しなくても良いよ」
そういうことではない。
恥ずかしくなるほど距離が近いから、胸が飛び出しそうなくらいバクバクしているだけ。
「そ、そ、そんなことない…です…」
素直に言えない…
「じゃあ、普段通りに、もっと肩の力に抜いて…」
郁夫が椅子を滑らせ、後ろへ回ったと思ったら、打ち合わせと何の関係があるのか、リラックスさせようと大きな手を肩へ乗せ、そのまま肩を揉んできた。
「おっ!
結構、凝っているね…
緊張していたから、かな…」
薄い生地の制服から、郁夫の温かな温もりがジワジワ伝わって来る。
そのおかげで、気持ちがキュンキュン跳ね上がってしまうけど、今は仕事中。
「だ、だ、だ、大丈夫…
か、か、肩を揉まなくても、へ、へ、平気だから…」
「俺と初めての打ち合わせだからって、そんなに緊張しなくていいよ。
リラックス、リラックス…」
肩から手を離しそうにない。
「は、は、はい…」
それから、たわいもない話をしながら肩を揉まれたからか、郁夫と二人きりという緊張感はほぐされた。
その分、郁夫との淡い気持ちが高揚してしまい、口ごもってしまう。それでも、仕事だから販売計画の説明を続けた。
郁夫は手の感触からやってくる細くて小さいな身体を抱きしめたくなったが、真面目に説明をする真理に流され、椅子に座り直し、真理の顔をチラチラ覗きながら説明を聴く。
頬をほんのり紅く染めたまま、言葉を詰まらせながらも、おろおろ説明をする真理。
真理の方がキャリアは上だから、説明など聞かなくとも良いだろうと、郁夫は相槌を打ちながら聞き流し、緊張しながら説明をしている真理をどうやって解してあげようか、と考えていた。
その裏では、もっとちょっかいを出して、男女のコミュニケーションも謀っていた。
モニターを見ながら説明をしている真理の太ももへ、さり気なく膝をつけてみたり、チラチラ見える胸元を覗いたり、相槌を打つようにわざと肩をポンポン叩いていた。
「こ、こ、今年は、ぜ、前年より早く、も、も、桃のアイスクリームを販売しようと思っていて…」
「あぁ、桃か~。
桃のアイスクリーム美味しいよね
桃の見た目も、なんかおっぱいみたいだし、桃の割れ目もおっぱいの谷間にも見えるし…」
桃がおっぱい!?
突然、破廉恥な言葉が出てきて、急に顔が熱くなり出し、私の胸は桃のようではないと、第一ボタンを閉じようともじもじする。
「アハハ、冗談だよ。
胸を隠さなくとも、しっかりボタンが留めているから、見えないから」
郁夫は笑みを見せながら、そう言うも、視線を追うとしっかり胸を見ている。
「・・・・・・」
下心丸出しで見られているみたいで、なんて言葉を返して良いのか、返事に困る。
「あれ? 怒った?
それとも… 見て欲しかった?」
そんな下心丸出しで見て欲しくない。
見られるなら、もっと…
「・・・・・・」
思わず、郁夫に抱かれる想像しながら一人えっちしてしまったことを思い出してしまい、口を閉ざしてしまった。
郁夫はニヤニヤ笑みを見せたまま、真理の返事を待たずに
「真理ちゃんの大きいおっぱい見てみたいな」
と、下心を隠さずに誘う。
誘うなら、そんな嫌らしい顔しないで、もっと心にキュンとくる顔して…
また、思わずえっちな想像をしてしまい、胸が飛び出てしまいそうなくらいドキドキしてしまった。
何て応えたら良いのか、正解がわからなくて、答えに詰まってしまう。
「冗談だよ、冗談…。
やっぱり、見せられないよね。ごめんごめん
説明を止めちゃったから、続きお願い」
本気で見たかったのだろうか…
下心を隠さず、素直に言ってくるし…
もしかして…
郁夫君…
私の身体を触ってくるのは…
だめだめ。今は仕事中。
「えーと…
どこまで話したかな…
あっ、ここからだったね…」
キュンとときめく想いがするも、しっかり気持ちを切り替え、説明の続きを始めた。
真理は頬をほんのり紅く染めながらも、いつの間にか、郁夫を諭すようなしっかりとした口調に戻っていた。
郁夫は課長級のエリアマネージャーだけど、こういう場では真理の方が説明や仕切りが上手。
人前で説明や司会進行する経験が浅い郁夫は、本社から、ある時期からイベントが集中する夏期間など、真理が中心となって各イベントに赴き、イベント説明や準備など部長級の働きをする。と説明されていて、エリアマネージャーの間からは、曰くつきの店長として有名だった。
そんな真理は、部長で処女。
セクハラまがいなことを言ったのに、全然嫌がる様子を見せなかったばかりか、怒る様子も無く、すごく照れているようにも見えた。
もう少し攻めて見よう…
郁夫は、もっとドキドキ照れさせようと、説明の合間に
「いいね」
と、場違いではあるけど、褒めるように肩をトントンと叩いて相槌を打ちながらも、膝を真理の太ももへ付けて離さない。
真理は身体を触れられ、つい油断して集中力を切らしてしまうと、言葉を詰まらせていた。
集中… 集中…
モニターを見ながら集中して説明していると
「真理ちゃん。少し力んでぎこちないよ」
と、郁夫がすっと立ち上がり、また真理の背後へ回り込み
「リラックス、リラックス…」
と、小さい肩を抱くように、肩を揉んできた。
「い、い、い、郁夫君、し、し、仕事中…」
仕事中だから注意したものの、凝っている肩がきもちいいし、郁夫の温もりが背中へ伝わって来て、なんだか郁夫に包まれているみたいで、ほっと落ち着く。
この落ち着き感や抱かれたような感覚はなんだろう…
また、郁夫を想いながら一人えっちしてしまったことを思い出し、すぐ傍に郁夫がいるのに、なんてふしだらなことをしてしまったのだろう、とあまりの恥ずかしさに、また顔が熱くなって、頬を真っ赤に染めてしまった。
「真理ちゃん、どうしたの?」
郁夫が肩を揉みながら、真っ赤に染まった顔を上から覗いてきた。
その距離、ほんのわずか…
居ても立っても居られないくらい恥ずかしい。
「な、な、な、な、な、な、なんでもないよ」
この動揺ぷり。素直でよろしい。
「じゃあ、続きをお願い」
「は、は、は、は、はぃ…」
高揚して止まらない気持ちを落ち着かせるために、一息、深い深呼吸してから説明を再開する。
郁夫は肩へ手を乗せたまま、言葉を詰まらせながら説明する真理の話を聴き、相槌を打つように肩を揉んだ。
真理はキュンキュンときめきながら説明をするも、その裏では、あそこが知らずにジンジンして止まらないでいた。
郁夫がまるで彼氏になったように肩を揉んでくる所為なのか、淡いえっちな展開が頭の片隅によぎり、不謹慎までにもその想像を期待してしまう真理がいて、このまま抱きしめて欲しいと、心の中で叫んでしまう。
そのおかげで、集中力が途切れ、言葉を詰まらせていた。
さすが真理ちゃん。
動揺しながらも、しっかり説明ができている。
じゃあ、これなら…
「わっ!」
何かがスッと触れたと思ったら、突然ブラジャーのホックが外れた。
どうして外れたのか、わからない。
「背中の方まで凝っているね…
真理ちゃん、いつも忙しいからかな?
もう少しで説明終わりでしょう。もう少し頑張ってね 」
郁夫は知ってか知らないでか、このまま説明を続けろと言う。
気持ちが高揚して止まらないのに、今ブラジャーのホックまで外れて、そんなに冷静で居られるわけがない。
仕事に集中しないと、頭の中がふしだらな想像力でいっぱいになって、破廉恥にも興奮してくる。
いや、時すでに遅し?
もう、ハァハァ興奮している。
ハァハァ…
もう脳内が興奮し過ぎてダメ…
もうだめだけど…
仕事に集中しないと…
真理は興奮気味で息を荒くしながら、最後の販売計画の説明をする。
郁夫が「いいね」と言いながら、相槌を打つように肩を揉むために、ブラジャーの肩紐が徐々にずれてくる。
”ブラジャーがずれる”なんて、恥ずかし過ぎて言えるはずもない。直そうと思うも、郁夫の目前でブラジャーを直す姿も恥ずかし過ぎて、見せることなんてできない。
どうしよう…
直したいけど、勇気が出ない…
真理ちゃん、やばいな…
全然嫌がらない…
徐々にブラジャーをずらしているのにも関わらず、全く気にする様子を見せない…
もしかして、俺を誘っているのか…
いやいや、そんなことない。
だって、かなりどもっているから、恥しがって動揺しているはず…
顔を覗くと、モニターを真剣に見ながら説明している…
これは、照れ隠しか…
そうだとするならば…
「「 いらっしゃいませ 」」
狭い事務所の壁越しから、パートさんの大きな声が響いた。
郁夫は「はっ」と肩を揉むのを止め、すました顔して椅子に戻った。
真理は郁夫が離れても、ブラジャーを直す素振りも見せない。そのまま、最後の項目を説明し終えた。
「…以上、説明終わりです」
「―――どの計画書も良いから、俺の方からは何も言うことは無いかな…」
郁夫が何か意見を言う番になっても、真理はモニターを見つめたまま郁夫の方を見ようとしない。
今では完全にブラジャーの肩紐がずれ落ちて、カップも浮いた状態になっているのだ。
その状態で郁夫の方を向いたら、一目見ただけも気付かれて、淫らな姿を見せてしまう。
それはとても恥ずかしいこと。とても破廉恥なこと。絶対に見られたくない。
郁夫は、真理のブラジャーが浮いて焦っている気持ちまではわからない。
全く郁夫の方を見ようとしない真理を不思議に思うものの、ブラジャーのホックが外れていることは知っている。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
二人の沈黙が続く。
やばい…、郁夫君、早く何か言って終わらせてくれないかな…
早くブラジャーを直したい…
真理ちゃん、どうするのだろう…
こっちから素直に、ブラジャー直さないのって言った方が良いのか…
なんか、この沈黙だと嫌な予感がする…
真理は、恥ずかしい思いが累積していく。
郁夫は、気まずい雰囲気が累積していく。
「「 ありがとうございました 」」
またパートさんの声に助けられた。
「今日は、以上で打ち合わせ終わりかな…
こっちからは連絡事項もないし… 真理ちゃんの方から、何かある?」
「何もないです…」
「そっか。それじゃ終了で。
どうしようかな…
予定より早く終わっちゃったから、時間余っちゃった…」
「わたし、店の方を見てくるね」
これ以上、ブラジャーが浮いたまま郁夫と二人きりでいることが限界になり、乱れた胸をエプロンで隠し、先を急ぐように事務所から出て行った。
郁夫は、不自然にも慌てて事務所から出て行く後ろ姿を、ニヤッと微笑み、股間をムクっと大きくしながら見送った。
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アイスクリーム屋さんの店長は32歳処女
5話「真理、打ち合わせ中に悪戯される」
郁夫がエリアマネージャーに着任してから、初めてのエリア会議が近づき、真理は会議に使う販売計画など暇を見て作成していた。
そんな中、エリア会議前に行われる打ち合わせする日がやってきた。
その日、郁夫は夜の暇な時間に合わせて来るから、真理は忙しい中でも完璧に作り終え、郁夫を待っている状態だった。
「お疲れ様で~す」
カウンターでパートさんと共に三人で接客していたところに、郁夫の声が耳に入ってきた。
皆が振り向くと、郁夫がやって来ていた。
「「「おはようございま~す」」」
皆、明るい声で挨拶をする。
郁夫が来る前、パートさんには恒例の打ち合わせがあるから、と言っていたので、あとはパートさんに任せ、カウンターから仕込み部屋を隔てた奥の狭い事務所で打ち合わせにする。
郁夫と二人きりになるのは数週間ぶり。朝の仕込み以来だから、胸がウキウキ躍るも何だかドキドキ緊張する。
カウンターからはパートさん二人の
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございました」
などの大きな明るい声が狭い事務所まで響き聞こえる。
「じゃあ、始めようか」
緊張した中、疲れた様子も見せない郁夫のかけ声で打ち合わせが始まる。
真理はエプロンを外してから、パソコンで作成していた書類関係をモニターに出す。追加事項や訂正があれば、その都度、修正して行くので、モニターを眺めながら打ち合わせを進める。
モニターを見ながら打ち合わせを進めるのは良いのだけど、郁夫の距離がやけに近い。
前エリアマネージャーは体一個分以上、充分に距離を取っていたけど、郁夫は一緒にアイスクリームを仕込んだあの日のように、肩を並べて座り、カウンターにパートさんがいるのに、まるで恋人のような距離感でいる。
いくら男性経験が無いからと言っても、打ち合わせする距離ではないことくらいはわかる。
今は仕事中だけど、久しぶりの二人きり。 恥ずかしくて少し緊張する。
こういう距離感を気にしないのが郁夫のスタイルだと思い、息を深く吸って深呼吸してから、まず一か月販売計画の説明に入り、次いで三か月、六か月の販売計画の説明を始めた。
郁夫は相槌を打ちながらも、真理の説明を良く聴き、時折、真理の太ももへ膝を付けながら、耳元で相槌を打つように”うんうん”と頷く。
郁夫の体温が伝わってくるほど近いのにも関わらず、耳元でうんうん頷くから、くすぐったいような気がして、説明しているのに口ごもってしまう。
「そ、そ、そ、それで、で、ですね…
こ、こ、この月は… 」
「相変わらず、真理ちゃんは緊張症だね…
そんなに緊張しなくても良いよ」
そういうことではない。
恥ずかしくなるほど距離が近いから、胸が飛び出しそうなくらいバクバクしているだけ。
「そ、そ、そんなことない…です…」
素直に言えない…
「じゃあ、普段通りに、もっと肩の力に抜いて…」
郁夫が椅子を滑らせ、後ろへ回ったと思ったら、打ち合わせと何の関係があるのか、リラックスさせようと大きな手を肩へ乗せ、そのまま肩を揉んできた。
「おっ!
結構、凝っているね…
緊張していたから、かな…」
薄い生地の制服から、郁夫の温かな温もりがジワジワ伝わって来る。
そのおかげで、気持ちがキュンキュン跳ね上がってしまうけど、今は仕事中。
「だ、だ、だ、大丈夫…
か、か、肩を揉まなくても、へ、へ、平気だから…」
「俺と初めての打ち合わせだからって、そんなに緊張しなくていいよ。
リラックス、リラックス…」
肩から手を離しそうにない。
「は、は、はい…」
それから、たわいもない話をしながら肩を揉まれたからか、郁夫と二人きりという緊張感はほぐされた。
その分、郁夫との淡い気持ちが高揚してしまい、口ごもってしまう。それでも、仕事だから販売計画の説明を続けた。
郁夫は手の感触からやってくる細くて小さいな身体を抱きしめたくなったが、真面目に説明をする真理に流され、椅子に座り直し、真理の顔をチラチラ覗きながら説明を聴く。
頬をほんのり紅く染めたまま、言葉を詰まらせながらも、おろおろ説明をする真理。
真理の方がキャリアは上だから、説明など聞かなくとも良いだろうと、郁夫は相槌を打ちながら聞き流し、緊張しながら説明をしている真理をどうやって解してあげようか、と考えていた。
その裏では、もっとちょっかいを出して、男女のコミュニケーションも謀っていた。
モニターを見ながら説明をしている真理の太ももへ、さり気なく膝をつけてみたり、チラチラ見える胸元を覗いたり、相槌を打つようにわざと肩をポンポン叩いていた。
「こ、こ、今年は、ぜ、前年より早く、も、も、桃のアイスクリームを販売しようと思っていて…」
「あぁ、桃か~。
桃のアイスクリーム美味しいよね
桃の見た目も、なんかおっぱいみたいだし、桃の割れ目もおっぱいの谷間にも見えるし…」
桃がおっぱい!?
突然、破廉恥な言葉が出てきて、急に顔が熱くなり出し、私の胸は桃のようではないと、第一ボタンを閉じようともじもじする。
「アハハ、冗談だよ。
胸を隠さなくとも、しっかりボタンが留めているから、見えないから」
郁夫は笑みを見せながら、そう言うも、視線を追うとしっかり胸を見ている。
「・・・・・・」
下心丸出しで見られているみたいで、なんて言葉を返して良いのか、返事に困る。
「あれ? 怒った?
それとも… 見て欲しかった?」
そんな下心丸出しで見て欲しくない。
見られるなら、もっと…
「・・・・・・」
思わず、郁夫に抱かれる想像しながら一人えっちしてしまったことを思い出してしまい、口を閉ざしてしまった。
郁夫はニヤニヤ笑みを見せたまま、真理の返事を待たずに
「真理ちゃんの大きいおっぱい見てみたいな」
と、下心を隠さずに誘う。
誘うなら、そんな嫌らしい顔しないで、もっと心にキュンとくる顔して…
また、思わずえっちな想像をしてしまい、胸が飛び出てしまいそうなくらいドキドキしてしまった。
何て応えたら良いのか、正解がわからなくて、答えに詰まってしまう。
「冗談だよ、冗談…。
やっぱり、見せられないよね。ごめんごめん
説明を止めちゃったから、続きお願い」
本気で見たかったのだろうか…
下心を隠さず、素直に言ってくるし…
もしかして…
郁夫君…
私の身体を触ってくるのは…
だめだめ。今は仕事中。
「えーと…
どこまで話したかな…
あっ、ここからだったね…」
キュンとときめく想いがするも、しっかり気持ちを切り替え、説明の続きを始めた。
真理は頬をほんのり紅く染めながらも、いつの間にか、郁夫を諭すようなしっかりとした口調に戻っていた。
郁夫は課長級のエリアマネージャーだけど、こういう場では真理の方が説明や仕切りが上手。
人前で説明や司会進行する経験が浅い郁夫は、本社から、ある時期からイベントが集中する夏期間など、真理が中心となって各イベントに赴き、イベント説明や準備など部長級の働きをする。と説明されていて、エリアマネージャーの間からは、曰くつきの店長として有名だった。
そんな真理は、部長で処女。
セクハラまがいなことを言ったのに、全然嫌がる様子を見せなかったばかりか、怒る様子も無く、すごく照れているようにも見えた。
もう少し攻めて見よう…
郁夫は、もっとドキドキ照れさせようと、説明の合間に
「いいね」
と、場違いではあるけど、褒めるように肩をトントンと叩いて相槌を打ちながらも、膝を真理の太ももへ付けて離さない。
真理は身体を触れられ、つい油断して集中力を切らしてしまうと、言葉を詰まらせていた。
集中… 集中…
モニターを見ながら集中して説明していると
「真理ちゃん。少し力んでぎこちないよ」
と、郁夫がすっと立ち上がり、また真理の背後へ回り込み
「リラックス、リラックス…」
と、小さい肩を抱くように、肩を揉んできた。
「い、い、い、郁夫君、し、し、仕事中…」
仕事中だから注意したものの、凝っている肩がきもちいいし、郁夫の温もりが背中へ伝わって来て、なんだか郁夫に包まれているみたいで、ほっと落ち着く。
この落ち着き感や抱かれたような感覚はなんだろう…
また、郁夫を想いながら一人えっちしてしまったことを思い出し、すぐ傍に郁夫がいるのに、なんてふしだらなことをしてしまったのだろう、とあまりの恥ずかしさに、また顔が熱くなって、頬を真っ赤に染めてしまった。
「真理ちゃん、どうしたの?」
郁夫が肩を揉みながら、真っ赤に染まった顔を上から覗いてきた。
その距離、ほんのわずか…
居ても立っても居られないくらい恥ずかしい。
「な、な、な、な、な、な、なんでもないよ」
この動揺ぷり。素直でよろしい。
「じゃあ、続きをお願い」
「は、は、は、は、はぃ…」
高揚して止まらない気持ちを落ち着かせるために、一息、深い深呼吸してから説明を再開する。
郁夫は肩へ手を乗せたまま、言葉を詰まらせながら説明する真理の話を聴き、相槌を打つように肩を揉んだ。
真理はキュンキュンときめきながら説明をするも、その裏では、あそこが知らずにジンジンして止まらないでいた。
郁夫がまるで彼氏になったように肩を揉んでくる所為なのか、淡いえっちな展開が頭の片隅によぎり、不謹慎までにもその想像を期待してしまう真理がいて、このまま抱きしめて欲しいと、心の中で叫んでしまう。
そのおかげで、集中力が途切れ、言葉を詰まらせていた。
さすが真理ちゃん。
動揺しながらも、しっかり説明ができている。
じゃあ、これなら…
「わっ!」
何かがスッと触れたと思ったら、突然ブラジャーのホックが外れた。
どうして外れたのか、わからない。
「背中の方まで凝っているね…
真理ちゃん、いつも忙しいからかな?
もう少しで説明終わりでしょう。もう少し頑張ってね 」
郁夫は知ってか知らないでか、このまま説明を続けろと言う。
気持ちが高揚して止まらないのに、今ブラジャーのホックまで外れて、そんなに冷静で居られるわけがない。
仕事に集中しないと、頭の中がふしだらな想像力でいっぱいになって、破廉恥にも興奮してくる。
いや、時すでに遅し?
もう、ハァハァ興奮している。
ハァハァ…
もう脳内が興奮し過ぎてダメ…
もうだめだけど…
仕事に集中しないと…
真理は興奮気味で息を荒くしながら、最後の販売計画の説明をする。
郁夫が「いいね」と言いながら、相槌を打つように肩を揉むために、ブラジャーの肩紐が徐々にずれてくる。
”ブラジャーがずれる”なんて、恥ずかし過ぎて言えるはずもない。直そうと思うも、郁夫の目前でブラジャーを直す姿も恥ずかし過ぎて、見せることなんてできない。
どうしよう…
直したいけど、勇気が出ない…
真理ちゃん、やばいな…
全然嫌がらない…
徐々にブラジャーをずらしているのにも関わらず、全く気にする様子を見せない…
もしかして、俺を誘っているのか…
いやいや、そんなことない。
だって、かなりどもっているから、恥しがって動揺しているはず…
顔を覗くと、モニターを真剣に見ながら説明している…
これは、照れ隠しか…
そうだとするならば…
「「 いらっしゃいませ 」」
狭い事務所の壁越しから、パートさんの大きな声が響いた。
郁夫は「はっ」と肩を揉むのを止め、すました顔して椅子に戻った。
真理は郁夫が離れても、ブラジャーを直す素振りも見せない。そのまま、最後の項目を説明し終えた。
「…以上、説明終わりです」
「―――どの計画書も良いから、俺の方からは何も言うことは無いかな…」
郁夫が何か意見を言う番になっても、真理はモニターを見つめたまま郁夫の方を見ようとしない。
今では完全にブラジャーの肩紐がずれ落ちて、カップも浮いた状態になっているのだ。
その状態で郁夫の方を向いたら、一目見ただけも気付かれて、淫らな姿を見せてしまう。
それはとても恥ずかしいこと。とても破廉恥なこと。絶対に見られたくない。
郁夫は、真理のブラジャーが浮いて焦っている気持ちまではわからない。
全く郁夫の方を見ようとしない真理を不思議に思うものの、ブラジャーのホックが外れていることは知っている。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
二人の沈黙が続く。
やばい…、郁夫君、早く何か言って終わらせてくれないかな…
早くブラジャーを直したい…
真理ちゃん、どうするのだろう…
こっちから素直に、ブラジャー直さないのって言った方が良いのか…
なんか、この沈黙だと嫌な予感がする…
真理は、恥ずかしい思いが累積していく。
郁夫は、気まずい雰囲気が累積していく。
「「 ありがとうございました 」」
またパートさんの声に助けられた。
「今日は、以上で打ち合わせ終わりかな…
こっちからは連絡事項もないし… 真理ちゃんの方から、何かある?」
「何もないです…」
「そっか。それじゃ終了で。
どうしようかな…
予定より早く終わっちゃったから、時間余っちゃった…」
「わたし、店の方を見てくるね」
これ以上、ブラジャーが浮いたまま郁夫と二人きりでいることが限界になり、乱れた胸をエプロンで隠し、先を急ぐように事務所から出て行った。
郁夫は、不自然にも慌てて事務所から出て行く後ろ姿を、ニヤッと微笑み、股間をムクっと大きくしながら見送った。
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